以前学生のときにブログを書いていたが挫折してしまった。
それで今回は再出発エントリー。
先週東京ミッドタウンでDesign Touch Conferenceという約一週間に渡って「デザイン」について考えることを目的とした催しものがあり、幾つかの講演を聴講した。
記念すべき再出発エントリーとして黒川雅之氏の「ものづくりの思想と仕掛」について書くことにする。
黒川雅之氏は先日亡くなった黒川紀章氏の実弟で、現在はインテリアデザイン等を手がけるデザイナーかつ株式会社K(http://www.k-shop.net/)のCEO。
僕はIT企業の人間でインテリアとは関係ないしデザイナーでもないのだが、この講演は色々と考えさせられた。
まず印象的だったのが"ISSEY MIYAKEのデザインは形ではなく、「作り方」の提案である"というもの。
服の斬新的な見た目としてのデザインだけでなく、ISSEY MIYAKEのすごいところはその作り方自体に革命を起こしている、ということらしい。
そしてISSEY MIYAKEのように、見た目のデザインだけでなく、素材を集めて、それをもとにものを作って、プロモーション活動をして、ものを売っていく、という"ものづくり"のプロセス全体に関わっていくデザイナーがこれからのデザイナーの姿という話をしてくれた。
また、実際に素材と向き合ってものづくりをする人間を"モノの職人"とするならば、これからのデザイナーは"ものづくりのマネージメント/システムとしての職人"になるべきということを話してくれた。実際に素材に触ってモノを作る職人は、幼稚な表現かもしれないが、素直にかっこいい。自分でものを生み出しているんだし。黒川氏もそういった人たちに対する憧れのようなものを持っており、またそういう職人たちと一緒に働けることを幸せに感じているのだな、と思った。そして黒川氏の自分のデザイナーとしての役割は何であるのか、ということに対する答えが上の、"ものづくりのマネージメント/システムとしての職人"であり、株式会社Kなのだろう。
僕はプロダクトマネージャ(プロジェクトマネージャ、プログラムマネージャ、プロデューサーなどなど呼び名は企業によって変わるが肩書きはなんでもいい)という役職でソフトウェア開発のプロセス全体(作り方)に関わる仕事をしているため、黒川氏のいう今後のデザイナーの姿は自分のこうありたい姿として思い浮かべることができた。このサービスはどういう仕様でいくのか、どういうUIにするのか、どういうユーザーエクスペリエンスを提供するのか、ということをソフトウェアエ ンジニアやUIデザイナーと嗜好錯誤し、どのようにそのサービスを提供していくのか、といったことをマーケティング担当者と相談し決めていく。
今回の講演で改めて自分の役割について振り返ることができた。
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