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2008年3月10日月曜日

Computer History Museum

Mountain ViewにあるComputer History Museumにいってきた。
その名の通り、コンピュータの歴史を追った博物館。

一見無造作にそれぞれのマシンが並べられているが、見ごたえはなかなかある。
Enigma, Eniac, PC, IBM 360, などなどとさまざまなマシンが陳列されており、教科書でしか見たことがないようなものも置いてあった。

下は、初めてGUIを実現したXerox Altoから始まり、Apple Ⅱ、Microsoft, Machintosh, IBM PCなどなどとPersonal Computerの歴史を追ったラック。
まるで秋葉原のパソコン店みたいな感じに並べてある。



また、下は初めて人間のチェスのチャンピオンに勝ったIBMのDeep Blueというプログラムが搭載されたマシン。
人工知能の教科書などではよく扱われる題材で、もちろん「コンピュータプログラムがチェスチャンピオンを破った → コンピューターが人間の知能に匹敵する力を持ちえた、あるいは超えた」というわけではないが(チェスチャンピオンの考えたプロセスとDeep Blueのプロセスが同じとは限らないし)、人間の知能を理解する、という果てしない挑戦における一つの大きな出来事だと思う。



単なる無機質な鉄の塊としてのマシンを展示しているだけでなく、展示してあるマシンを通してものづくりにおける開発者の熱い思いが伝わってくる、そんな博物館でした。

2008年2月24日日曜日

iPodをつくった男

iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス (アスキー新書 048) (アスキー新書 48)
大谷 和利
4756150969

アップルの創業者であり、現CEOのスティーブ・ジョブズとアップルのビジネスについて書かれた本。
ジョブズの極端な人格、プレゼンテーションのうまさ(この本ではロックコンサートに例えられている。今年の初めにMacBook Airが発表されたMacWorldに参加してはじめて彼の生プレゼンを見る機会あったがたしかにうまい。人を惹きつけるオーラがある)、製品開発に注ぐ彼の熱い思いなどが十分に伝わってくる一冊。

アップルは技術はもちろんのこと、製品企画、マーケティングの巧さでも有名だ。
アップルのプロダクトを使うことによって生まれる楽しさ、気持ちよさ、そういったプロダクトとプロダクトを使う人との相互作用から生まれるユーザーエクスペリエンス全体を最高のものにするべく、絶妙なトータルソリューションを提供している。

本書は組織論、プレゼンの仕方、製品開発のいわゆるHow To本ではないが自分の仕事に参考になるヒントがいくつかあった。
中でもキャッチコピー。

本書には「キャッチコピーから見るアップル社」という項目があり、そのひとつとしてiPod Shuffleの"Life is Random"というキャッチコピーが紹介されている。
iPod ShuffleはiPod製品ラインアップの中では最も価格が安いmp3 player。

そして、その特徴を一言で表現したものが、"Life is Random."というキャッチフレーズだった。人生がランダムならば音楽も順番どおりに聴く必要は無い。本来であれば、欠点としてとらえかねないコストダウンのための仕様が、最大のセールスポイントになりえたところに、アップル社らしい商品戦略の切り口を垣間見ることができる。

アップルは液晶ディスプレイや超小型ハードディスクを採用せずにShuffleの大幅コストダウンを狙った。
"Life is Random"というキャッチコピーはその欠点を逆手にとってShuffleを使うことで得られる喜びやそれを使うことの必然性を表現している。

アップルが製品開発においてどのタイミングでこういったキャッチコピーを作っているのかはわからないが、キャッチコピーはプロダクトができた段階で「どのようにしてユーザに訴えかけていくのか?」ということを表現するためのものだけではなく、製品開発の初期の段階から考えていく必要があると思う。
要は製品コンセプトを表現するものとしてのキャッチコピー。
そんなことはどこでも言われていることだし、当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、根っこの部分がしっかりしていないと後々困ることになるはずだ。
製品開発中には実際に色々な難しい状況に遭遇するし、迷うこともある。
その時にこういったキャッチコピーがあれば製品開発における重要な拠りどころとして機能すると思う。
(製品コンセプトの重要性というものを言葉以上のものとして体で覚えていかなければならないな、と感じている今日この頃。あと重要なのはこれをちゃんとチームの間で共有する、ということ)

この記事にも似たようなことが書いてある。

最初にそのキャラができることをはっきりさせておくことで、ゲームが引き締まってくるのだと言う。そのために桜井氏が薦めるのが、キャラの個性をキャッチフレーズのような言葉にすること。たとえば、『ファイヤーエムブレム』からの参戦となるアイクは“Mighty Howling Blade(うなる剛剣くらいの意味)”などとすることで、キャラの個性をしっかりと把握するのだという。


製品開発におけるキャッチコピー。
たぶん業種や世の中の流行などに関係なく、普遍的なものだと思う。

2008年2月18日月曜日

パルテノン神殿の謎

パルテノン神殿の特集をウェブ上でたまたまみつけた。

特集はパルテノン神殿がいかにデザインとエンジニアリングの極みに達しているか、ということにフォーカスしている。
実は柱がほんのわずかにカーブしていることや、ただ単に台を積み上げているだけでなくエンジニアリング的にも信じられないほどの精度で計算しつくされているということや、その他もろもろが詳しく説明されている。
パルテノン神殿は9年の年月をかけて作られた一方、現在も行っている補修工事は30年間も続いているらしい(そしてまだほとんど当時の形に復活できていない)。
それだけ古代ギリシア人の技術が今でも再現が難しいくらい、精密であったということだ。

パルテノン神殿は去年ギリシアに行ったときに見学にいったし、エンジニアリングに携わっている身としては色々と参考になるところもあり、特集も飽きずに観ることができた。

おすすめ。

2008年1月28日月曜日

システムの科学 part 1

システムの科学
ハーバート・A. サイモン Herbert A. Simon 稲葉 元吉
489362167X

コンピュータ科学、心理学専門でノーベル経済学賞を受賞しているなんでも一流の著者による本(初版1969年)。
そして自分が大学生の頃に所属していた研究室のバイブル的な本。
当時初めて読んだ(読まされた笑)のは大学4年生の時で難解であまり意味がわからなかった。
先日ふと本棚にほこりをかぶっているのを見かけてひっぱりだして読んでみた。

読み終わって思ったのは、この本は自分のやってきたこと、今やっていること、そしてこれからもやっていくであろうこと、に関して色々とヒントを与えてくれる、ということ。
もちろんその内容の全てを理解したわけではないし(自分のものにする、という意味で)、これからもこの本を読む度に新しい発見があるのだろうけど、研究室の指導教官がこの本をいつも引き合いに出してたのが少しわかった気がする。

内容は濃すぎて一度にここで書くことはできないけれども、この本は「デザイン」とは何なのか?ということを科学的な知見や経験から述べている。
ここでいう「デザイン」はもちろん見た目だけのデザインではなく、制度設計、製品開発、芸術、あらゆる「人工物」に関わる全て。
その切り口として著者は、「人間の思考」というものを取り上げている。
つまり人間の思考や問題解決能力を研究することによって、それがしいては「デザインの科学」「人工物の科学」につながっていく、と。

本書の中の大きな主張の一つとして以下がある。

1つの行動システムとして眺めると、人間はきわめて単純なものである。その行動の経時的な複雑さは、主として彼がおかれている環境の複雑性を反映したものにほかならない。
たとえば、蟻が歩いた経路は複雑であるかもしれないが、蟻は単体としてみれば単純である(障害物にあたったら違う方向をみて動く、などなど。おそらく非常に簡単なプログラムに基づいて動いているものと思われる。もちろん蟻といえどその内部構造は複雑極まりないが)。
ここで蟻の経路を複雑にしているのは蟻が置かれている複雑な環境そのものであり、そこには岩があり、水があり、様々な障害物がある。
著者は人間の一見複雑極まりない「知能」というのも単純で「人工的」なメカニズムをベースとしているとする。
その複雑性は人間のおかれている環境にあるとし、その科学的知見を述べている(ここで誤解を恐れずにいうと、人間の思考は「人工的」であるとは言っているが著者はデカルトの機械論とはかなり異なる立場にあると思う。でもとりあえず省略)。

これを現在のインターネットの世界に照らし合わせてみると結構おもしろい。

Webの世界にはあらゆる知識や情報があり、検索エンジンを通して個は自身をエンパワーすることができるため、よくWebの世界は外部化された「脳」みたいなものだと言われている。
こういうことは確かに感覚的にはなんとなくわかるんだが、「脳」という便利な言葉で片付けている感がしていまいちすっきりしなかった。

サイモンの上の主張はそのまま今のWebの世界にも当てはめることができるとおもう。
Web上にあるページをインデックス化しているのは検索エンジンのロボットである。
その仕組みは複雑かもしれないが、これは人間がプログラムしているものであり、よって「人工物」であり、単純である。
一方、Web上の各ページを作成しているのはそれぞれの人間であり、その総数や書いてある知識は膨大かつ日々爆発的に増えており、複雑である。
すなわち、検索エンジンを行動主体としてみた場合、検索エンジンがもたらすその複雑な知的な行動(あらゆる情報があってそこから色々と引き出せる、という意味)は、結局はその検索エンジンの環境であるWebの複雑さがそれを反映しているだけであり、検索エンジン自体は単純である。

サイモンの仮説(もちろん当時はWebなどない)にたってみるとWebが「脳」というふうに言われる所以は確かに合っているのかもしれない。
まさに、「人間の思考」を考えることによってWebという人工物を少し理解することができる。

とりあえずの締めとして本書の引用を。
もしも私の主張が正しいとするならば、技術教育に関する専門的な1分野としてのみならず、すべての教養人の中心的な学問の1つとして、人間の固有の研究領域はデザインの科学にほかならない、とわれわれは大まかに結論することができるのである。

2008年1月9日水曜日

CES2008@Las Vegas

現在ラスベガスで開催されているCESに来ている。
昨日はPanasonicの基調講演に出席した。
主な発表製品は以下の通り。

  • 150インチ・プラズマテレビ(実際にものをみるとその迫力にびびる)


  • 超薄型プラズマテレビ(うすうす)



  • YouTube, PicasaWebAlbumが見れるIPTV、北米のみ(日本でもほしい)



  • Life Wall (なんかの映画でみたことある気がする。手をかざして壁に投影されているコンテンツを操作)



そして家電見本市ということでやはり全体として華やか。
  • バイオリンを奏でる美女たち


夜はラスベガスのホテルでやっているショーを見に行った。
舞台施設にものすごくお金かかってそう。
なかなか迫力があった。